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神、そらに知ろしめす すべて世は事もなし [God's in His heaven -- All's right with the world!]  【2011/06/28 16:23】 表現集
ロバート・ブラウニングの詩の一節。「ピッパはとおる」(Pippa Passes)というお話の中で主人公のピッパが歌う歌の締めの部分の文句とのこと。

この「ピッパはとおる」というお話のストーリーや詩の解説については、「ピッパはとおる」あるいは「すべて世は事もなし?」が分かりやすかった。ブラウニングは1800年代のイギリス人。したがって、これは150年くらい前の作品。

あらすじを大ザッパに書くと、こんな感じ。ピッパという貧しい女工が主人公。過酷な労働の日々ではあるが、なんか明るい。年に一度のお休みの日、春をめでる歌を口ずさみながら町を歩く。町のみんなは幸せなんだろうなと思うピッパだったが、実は、誰もが陰では罪や不安におびえてる。なかでも町でいちばんの美人で富も豊かと思われているのは、だれあろう、ピッパが働いている工場主の妻。しかし、この妻、愛人と浮気をしてて、夫を殺してしまっていたのだった。ピッパの無邪気な歌を聞いて愛人の男は罪の意識に苛まされる…。

タイトルの訳詞は上田敏の「海潮音」(1905年)による。上田の訳詞については上記サイトに掲載されていた。

原文は次の通り。

The year's at the spring
And day's at the morn;
Morning's at seven;
The hillside's dew-pearled;

The lark's on the wing;
The snail's on the thorn:
God's in His heaven
-- All's right with the world!


いっちょ訳してみっかな(笑)

一年で言うと、今は春
一日で言うと、今は朝
朝でも、今は7時
丘の斜面には、しずくの真珠

ヒバリは翼を広げ
カタツムリは棘を這い
天上には神が住み
地上のすべて、あるべき姿


なんちゃってな訳だな。リズムもへったくれもなし。

同時期の画家だったSir Lawrence Alma-Tadema(ラファエル前派の画家)がThe year is at the Springという題で絵を描いていました。雰囲気が出てます。
the year is at the spring

この言葉は「エヴァンゲリオン」のNERVのマークに出てくるのが有名。
エヴァネルフ

ですが、この言葉は、「赤毛のアン」の最後のつぶやきとしての方がもっと有名です。ちょっと長いけど引用します。アンがようやくギルバート・ブライスと和解して帰ってきた後から…

CHAPTER XXXVIII The Bend in the road

Marilla looked curiously at Anne when the latter entered the kitchen.

"Who was that came up the lane with you, Anne?"

"Gilbert Blythe," answered Anne, vexed to find herself blushing. "I met him on Barry's hill."

"I didn't think you and Gilbert Blythe were such good friends that you'd stand for half an hour at the gate talking to him," said Marilla with a dry smile.

"We haven't been--we've been good enemies. But we have decided that it will be much more sensible to be good friends in the future. Were we really there half an hour? It seemed just a few minutes. But, you see, we have five years' lost conversations to catch up with, Marilla."

Anne sat long at her window that night companioned by a glad content. The wind purred softly in the cherry boughs, and the mint breaths came up to her. The stars twinkled over the pointed firs in the hollow and Diana's light gleamed through the old gap.

Anne's horizons had closed in since the night she had sat there after coming home from Queen's; but if the path set before her feet was to be narrow she knew that flowers of quiet happiness would bloom along it. The joy of sincere work and worthy aspiration and congenial friendship were to be hers; nothing could rob her of her birthright of fancy or her ideal world of dreams. And there was always the bend in the road!

"`God's in his heaven, all's right with the world,'" whispered Anne softly.



これも訳してみます。

第38章 道の曲がり角

マリラはキッチンに入ってくるアンを不思議そうな顔で見た。
 「アン? 一緒に来たのはいったい誰なんだい?」
 「ギルバート・ブライスよ」と、アンは顔が火照るのに戸惑いながら答えた。「バリーの丘で偶然会ったの」
 「お前とギルバート・ブライスが、門の前で半時間も立っておしゃべりするとはねえ。そんな仲良しじゃないと思ってたけど」 とマリラは無味乾燥な笑みを浮かべた。
 「ええ、仲良しじゃなかったわ。良き敵の関係。でも私たち、これからは良き友の関係でいる方がずっと理にかなうだろうと分かりあったの。でも、本当に私たち半時間も立っていたの? ほんの数分だった気がするわ。でも、マリラ、私たち5年分も話すことがあったんですもの。分かるでしょう?」
 その夜、アンは喜ばしい満足感を感じつつ、部屋の窓際に長い間座っていた。桜の枝の間を風が優しく吹き抜け、ミントの香りを彼女に送り届ける。遠く谷間にはもみの木々がツンと先を尖らせ生えていて、その先に星が瞬いている。木々の隙間の先に輝くダイアナの家の灯りも懐かしい。
 クイーンズから戻ってきた夜もここに座ったが、それ以来、アンの地平は狭まってしまっていた。しかし、仮に前に延びる小道が狭まるにしても、その小道に沿って穏やかな幸福という花々が咲くだろうとアンには分かっていた。誠実に仕事をする喜び、価値ある希望を持つ喜び、そして温かな友情、そのいずれもがアンのものになるのだ。生まれつきの空想する喜びも、夢に見る理想の世界も奪われることがない。それに、どんな道にも曲がり角があるのだから!
 アンは小さな声で呟いた。
 「天上には神が住み、この世のすべて事はなし」と。



素晴らしいです。訳のことではなくて、ここに現れている人生観が素晴らしいです。震災後の今の我々の状況を思うとなおさら。涙が出そうです。

やれ日本経済は今後下降を続けるとか、復興には何年もかかるとか、「がんばろう、日本!」とか、中国が台頭して日本は二流国になるとか…。そういうメッセージが溢れていますが、本当に僕たちは以前のような経済大国日本に戻りたいと思っているのだろうかと思わされます。

別に経済大国にならなくてもいい。科学技術も先端を進まなくてもいい。中国に負けても構わない。ただ、誰もがそれなりの誇りに思える仕事を持ち、その仕事を誠実にこなし、それによって穏やかな生活を続けていけるなら、それでいいじゃないか。何万年先にまで影響を残してしまうような原子の力に頼って過剰な電化生活を送るより、つつましく、ささやかな生活と安心できる生活環境があれば、それでいいじゃないか。大きな野望は持てないだろうが、そんな野望はいらない。自分にとって価値があると思える希望を抱き、理想と思える社会をそれぞれに考え、その実現を目指しつつ、小さなところから、身近なところから、より良くしていこうと日々誠実に生活していく。皆がそういうふうに生活できる国は、世界に誇れる素晴らしい国なのではないか。

そんなことを思うのでありました。

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